アナログ写真の整理
身近なもので整理が厄介なものの筆頭は写真類ではないでしょうか。最近は、デジタルが主流となってパソコンのなかで整理されている方が大半でしょうが、アナログ時代のネガやプリントは、サイズがまちまちであったり、いつどこで撮ったものか判別できなかったりで、整理が億劫になりがちです。
整理のポイントは、まず、埃などから守り、劣化を最小限に抑える環境を整えること、第二にネガ・ポジ・スライドなどフィルムとそれをプリントしたものを「泣き別れ」にしないこと、第三にできるだけ情報を書き添えておくこと、といったところでしようか。
公文書館などで使われている全中性紙製の写真保管用キットも市販されていますが、家庭や会社では、よほどの「お宝」でもないかぎり、そこまで凝る必要はないでしょう。明かりの入らないキャビネットなどに、冊子状にファイリングして保管しておけば、まずは安心です。プリントしたものを重ねておいて置くと常温でも固着してしまいますので、必ずばらしてやる必要があります。ファイリングすれば検索・閲覧もしやすくなります。
写真量販店で入手できる「システムアルバム」と呼ばれるものは、さまざまなサイズのフィルムやプリントに適合した替え紙が用意されており、異なるサイズのフィルム、プリントを一冊に収容できるので使い勝手が良いです。余白に情報を書き込んだり、背表紙にタイトルを入れたりすることもできます。「四つ切」サイズだと、6コマ分のスリーブ(フィルムを切ったもの)がタテに7段入って、36枚撮りフィルムが1ページに収まります。L判なら6枚、はがきサイズなら4枚、キャビネ(2L)なら2枚が収まります。写真のサイズはA判・B判と違う基準なので、やはり専用ファイルに分があるようです。
ヘリテージサービス事業部アーカイブ担当 中川 洋
歴史系博物館学芸員として資料の収集・管理や展示・教育業務に携わり、現職に就く。
現在は、企業および学園アーカイブのコンサルティング、プランニング、マネジメントに従事。