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アーカイブコラム

2012年2月20日

●発行者:出版文化社アーカイブ事業部●発行日:毎週月曜日
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『公文書をつかう』を読んで考えたこと

「公文書管理制度の研究は、広義の政治制度研究である」と主張するのは、『公文書をつかう―公文書管理制度と歴史研究―』(青弓社、2011年)の著者、瀬畑源氏です。
瀬畑氏は一橋大学大学院社会学研究科特任講師で、情報公開制度と深く関わりを持つ公文書管理制度にも興味を持ち、ブログ「源清流清―瀬畑源ブログ―」を立ち上げています。

『公文書をつかう』は、法制度の逐条解説本ではなく、書名の如く、利用者の視点で書かれていることが特徴です。

本書の第一章では、明治時代今日に至るまでの公文書管理法制定の過程がわかりやすく、詳細に書かれています。太政官制度での記録編纂事業から記録課が設置されるも、内閣制度創設後の編纂事業の縮小と記録課の格下げ、そして永久保存文書とされる公文書はあくまでも行政として必要とされる文書を残すのみで、当時は歴史的な価値や国民への説明責任への発想があまり無かったのではないかと指摘されているのも、頷けます。

第二章は本書の本論となる公文書管理制度に関する内容です。ここで改めて気づかされることは、公文書の扱いはあくまでも法制度にのっとった範囲内で適用される、ということです。言い換えれば、公文書管理法に適用されていないと判断される機関で発生される文書、あるいは適用外であると(組織的な資料ではないと)作成者側が判断する文書などは、廃棄・散逸されることを意味します。それが最近の議事録未作成問題にもつながってくる問題と考えられます。

第三章では、公文書管理法制定後の国立公文書館のあり方、専門職養成の必要性、公文書管理条例と地方公文書館とその問題点なども指摘されています。アーキビスト等の専門職養成の実現も、この法制度を形骸化させないためのポイントにもなってくるでしょう。

公文書管理制度は、政治・社会的な動きとは別に成り立ってきたものではなく、密接に関わって成立していること、それを国民には知る権利があり、利用するべきものである、このような筆者の考え方が、冒頭の言葉に濃縮されていると思います。

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ヘリテージサービス事業部アーカイブ担当 小根山 美鈴

学習院大学大学院アーカイブズ学専攻修了。都内の大学史編さん室、独立行政法人の研究所でアーカイブズの業務に従事後、現職に至る。

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