電子化の仕様(データ形式と解像度)
文書の電子化は、文書保管コストの削減、業務の効率化、企業競争力の向上等に大きな力を発揮します。電子化に際して留意すべき点として、画像データ形式と解像度の問題があります。
現在使用されている、主な画像データ形式としては、TIFF・PDF・JPEG・GIF・PNG・EPS等があります。利用目的により適したデータ形式は異なります。
文書の電子化に適したデータ形式としてはTIFF・PDF・PDF/A-1が挙げられます。JIS Z 6016(「紙文書およびマイクロフィルム文書の電子化プロセス」)、およびJIS Z 6017(「電子化文書の長期保存」)では、TIFF・PDF・PDF/A-1が推奨されています。また、長期保存に適したデータ形式として、PDF /A-1がISO 19005-1として国際標準化されています。
解像度は、高いほど精細な画像となりますが、データ容量が大きくなります。目的に応じ、必要な解像度を選択する必要があります。
文書の電子化に際して必要とされる解像度は、JIS Z 6016(「紙文書およびマイクロフィルム文書の電子化プロセス」)では、一般文書は200dpi(8ドット/mm)、精細な復元が必要なものは 300dpi(12ドット/mm)か400dpi(16ドット/mm)とされています。「国税関係書類等の電子化文書取扱ガイドライン(案)」では、カ ラー256諧調200dpi(8ドット/mm)以上が推奨されています。
また、国税関係書類等、電子化する文書の種類によってはモノクロではなくカラーでの電子化が規定、推奨されているものもあります。文書の電子化に際しては、各種法規、ガイドライン等にも留意し、仕様を決定する必要があります。