“その時”ではもう遅い できることからコツコツと
2019年6月19日、東京大学が、学内の様々な部署が公開している学術資産などを横断検索できる「東京大学学術資産等アーカイブズポータル」というサイトを公開しました。「東京大学デジタルアーカイブズ構築事業」を通じて公開された資料に、学内各部署がデジタルデータとして公開している資料を集約したもので、総合図書館、総合研究博物館、文書館など、資料の保存・公開施設のほか、法学部、文学部、教育学部、医学部、工学部など、文・理各部の持つコレクション約15万件が検索対象となっています。
検索機能としては、キーワード検索のほか、資料名、編著者、出版社、コレクション名での詳細検索や、資料種別、メディア・メタデータの利用条件等の条件での絞り込みも可能になっています。また、検索だけでなく、一部を除きメタデータのダウンロードも可能です。このデータベースはインターネットで一般公開され、多くの人が研究等の目的で学術資産にアクセスできるようになっており、非常に便利なツールといえます。
一般公開の可否は別として、企業・大学において、セクションを越えた情報の共有は年々重要度を増しています。組織を横断して行われるプロジェクトも、各部門の持つ関連資料の情報をメンバー間で共有、又は主幹部門がアクセスできる素地がなければうまくいきません。このような状況を未然に防ぐためには、まずセクション内で資料を適切に管理しなければなりません。少なくとも、当該セクションの管理者は資料の在処と概要を把握していることが求められます。その上で、関連部門間で共有し、いつでも資料にアクセスできる環境を整えておく必要があります。
当社では、その環境づくりの第一歩として資料整理をお勧めしています。自部門の資料を1点単位で詳細に整理・把握しておくことで、必要に応じて他部門へ情報提供することが可能になります。また、資料整理の一歩先の段階として、データベースの導入もお勧めです。各部門が資料の情報をデータベースに登録しておけば、部門を横断して素早く資料を検索することができます。このような作業は、必要に迫られてからでは対応が間に合いません。“その時”を待つのではなく、今できることからコツコツと準備してみてはいかがでしょうか。